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窯業系サイディングで反りや浮き、ひび、割れが起こる理由と補修方法

主な原料はセメントと繊維、厚みは最低でも12mm以上、原料と厚みから見るととても頑健に感じる窯業系サイディングですが、変形して反り返ったり、変形に耐え切れずに割れたりすることをご存知でしょうか。新築や築浅で曲がりや変形がない窯業系サイディングのお家にお住まいの方は信じられないかもしれませんが、そういった現象が起こるのです。実をいうと反りや浮き、ひび、割れが起こる原因は外壁塗装などのメンテナンスを怠ってしまったからです。ひび、割れを防ぐメンテナンス方法、起こってしまった場合の補修方法をご説明致します。
目次【】
- ・セメントなのに変形してしまう窯業系サイディング
- ・実際に起こった窯業系サイディングの反りや浮き、ひび、割れ
- -第1段階 窯業系サイディングの反り
- -第2段階 窯業系サイディングの浮き
- -第3段階 窯業系サイディングのひび
- -第4段階 窯業系サイディングの割れ
- ・窯業系サイディングが変形してしまう理由
- -雨水の吸収による膨張と乾燥時の収縮
- ●雨水が吸収されてしまう原因
- -吸収された水が凍ることによって起こる凍害
- ・反りや浮き、ひび、割れの予防方法
- -外壁塗装による防水性能の保持
- -シーリングによる吸水箇所のガード
- ・窯業系サイディングが変形してしまった場合の補修方法
- -釘やビスによる固定
- -部分的な張替え
窯業系サイディングが変形してしまう理由とその予防法と補修方法
現在、住宅に使用されている外壁材の約7割は窯業系サイディングと言われています。工場で生産されるため、品質が安定しており、デザインも豊富なのが特徴で、ご自宅の外壁が窯業系サイディングという方も多いでしょう。
この窯業系サイディング、経年による傷みによって変形してしまうことがあるといったら、信じられるでしょうか。「自分の家はおろか、ご近所も窯業系サイディングだけど、そんな家を見たことがない」という方もおられるでしょう。
見かける機会は少ないものの、反りや浮き、ひび、割れが起こるのは事実なのです。
この窯業系サイディング、経年による傷みによって変形してしまうことがあるといったら、信じられるでしょうか。「自分の家はおろか、ご近所も窯業系サイディングだけど、そんな家を見たことがない」という方もおられるでしょう。
見かける機会は少ないものの、反りや浮き、ひび、割れが起こるのは事実なのです。


窯業系サイディングはセメントに木質系繊維を混ぜ込んだものを外壁材として使いやすいようにボード状にしたもので、工場で塗装された後に出荷されます。
窯業系サイディングの変形として最初に起こるのが弓状の反りです。その後、症状が進むにつれ、変形していない他のものとの隙間ができてしまう浮きとなり、変形に強度が耐えられなくなり、釘やビスで固定されている部分周辺からひびが入ります。さらに変形が進むとひびが拡がり。割れに繋がります。
窯業系サイディングの変形として最初に起こるのが弓状の反りです。その後、症状が進むにつれ、変形していない他のものとの隙間ができてしまう浮きとなり、変形に強度が耐えられなくなり、釘やビスで固定されている部分周辺からひびが入ります。さらに変形が進むとひびが拡がり。割れに繋がります。

窯業系サイディングの変形として最初に起こるのが弓状の反りです。その後、症状が進むにつれ、変形していない他のものとの隙間ができてしまう浮きとなり、変形に強度が耐えられなくなり、釘やビスで固定されている部分周辺からひびが入ります。さらに変形が進むとひびが拡がり。割れに繋がります。



表面は意匠性やデザインによって模様などがつけられていますが、基本的には平らです。他の部分と比べて、何だか盛り上がっているように見える場合は反りが発生していると思って間違いないでしょう。



反りが大きくなってきますと、他の部分によりも出っ張ってきて浮いたように見えます。目地の部分のシーリングが剥がれてしまい、他のボードとの隙間ができてしまうこともあります。この隙間からは雨水などが浸入してきますので、他の部分のボードにも悪影響を与えます。



窯業系サイディングは釘やビス、または金具で固定されています。反りなどの変形が大きくなってきますと固定された部分に力が加わることとなり、それに強度が耐えられなくなると、ひび(クラック)が発生します。釘やビス、金具の固定力が弱い場合は釘やビスが抜け落ちたり、金具が外れてしまうケースもあります。



変形がより進み、ひびが拡大すると割れてしまいます。1枚のサイディングボードの中央付近から大きく割れてしまうということは少なく、釘やビスが打たれている周辺から割れてしまうケースがほとんどです。強風や揺れなどでサイディングボードが落下してくる可能性もあるので、すぐに補修が必要です。
窯業系サイディングが変形してしまう理由
建物の外装に使われる建材はどんなものでも水が大敵です。窯業系サイディングも類に漏れず、水が弱点となります。窯業系サイディングが変形してしまう理由は水が大きく関係しているのです。




一般的に窯業系サイディングの変形は雨水の染み込みとその乾燥によって起こるとされています。雨水の染み込めば、その分だけ膨張しますし、それが乾燥すれば膨張した分だけ縮みます。膨張と乾燥時の収縮を繰り返すことによって徐々に変形していき、反りから浮き、クラック、割れへと進行していくのです。
窯業系サイディングはこういった雨水の染み込みを防ぐため、塗装されていますが、経年でその防水性は落ちていきます。また、シーリング材が劣化して目地から剥がれたりすると、そこからも雨水を吸収します。釘やビスによる穴も適切に処理されていなければ、そこからも雨水が染み込みます。
窯業系サイディングはこういった雨水の染み込みを防ぐため、塗装されていますが、経年でその防水性は落ちていきます。また、シーリング材が劣化して目地から剥がれたりすると、そこからも雨水を吸収します。釘やビスによる穴も適切に処理されていなければ、そこからも雨水が染み込みます。

目地のシーリング材の劣化によるサイディングボードの断面の露出


目地のシーリングは一番最初に傷むところとも言われており、築10年を待たずにひび割れたり、痩せて隙間ができてしまうことも珍しくありません。サイディングボードの断面には塗装がされていないので、雨水などを吸収しやすいのです。また、総2階などの場合、2階の軒天から基礎まで目地が続いていることがほとんどです。雨水が通りやすい部分でもあるのです。
釘やビスの周辺


サイディングボードが釘やビスで固定されている場合、その頭にはシーリング材による処理や塗料でタッチアップがされています。釘やビスは金属(ステンレス)ですから、他の部分より塗料が剥がれやすく、剥がれればそこから水が浸透していきます。
塗膜の剥がれ(脆弱化)


1階部分の外壁の場合、自転車が倒れてしまったり、ものを運んでいる時にぶつけてしまい、傷をつけてしまうことが稀にあります。塗膜を貫通するような傷の場合、そこから雨水が浸入します。また、塗膜は経年で傷んでいくので、定期的に外壁塗装を行って防水性を保持しておかないと雨水は染み込みやすくなります。
施工不良


所定の位置にビスや釘が打たれていない、金具で固定する仕様なのにビスや釘で固定されているといった場合にも反りや浮き、ひび、割れが起こります。
窯業系サイディングは厚さはさまざまなものがありますが、一般的な住宅に使われているのは12mmのもの、14mmのもの、16mm以上のものがありになります。14mmのものまではビスや釘で固定するのが一般的です。16mm以上のものは金具で固定するのが標準的な仕様になります。16mm以上のものはビスや釘で穴を開けて固定されることを想定していません。
窯業系サイディングは厚さはさまざまなものがありますが、一般的な住宅に使われているのは12mmのもの、14mmのもの、16mm以上のものがありになります。14mmのものまではビスや釘で固定するのが一般的です。16mm以上のものは金具で固定するのが標準的な仕様になります。16mm以上のものはビスや釘で穴を開けて固定されることを想定していません。

寒冷な地域で起こりやすいのが凍害です。染み込んだ水が凍ることにより、体積が膨張して様々なものを破壊する現象です。
ご存知の通り、氷は水よりも体積が大きく、9%程度膨張します。水が氷になる際に膨張する力は凄まじく、温度にもよりますが約2,000気圧に相当すると言われています。1平方センチメートルあたり約2tです。これが窯業系サイディングの内部で繰り返されれば、ひびや割れに繋がります。
ご存知の通り、氷は水よりも体積が大きく、9%程度膨張します。水が氷になる際に膨張する力は凄まじく、温度にもよりますが約2,000気圧に相当すると言われています。1平方センチメートルあたり約2tです。これが窯業系サイディングの内部で繰り返されれば、ひびや割れに繋がります。



前述のように窯業系サイディングが変形してしまう理由は水分が浸透してしまうからです。よって、水分が浸透しないようにするのが最適な予防方法となります。
凍害によるひび割れも水分が浸透が原因ですから、こちらも水分が浸透を防げば予防することが可能なのです。つまりは一般的な建材と同じように水分から保護することで、変形などの不具合を防止します。
凍害によるひび割れも水分が浸透が原因ですから、こちらも水分が浸透を防げば予防することが可能なのです。つまりは一般的な建材と同じように水分から保護することで、変形などの不具合を防止します。

外壁塗装による防水性能の保持
窯業系サイディングだけではなく、一般的な建材で水分から保護するために行われているのが塗装です。
窯業系サイディングも外壁塗装によるメンテナンスで防水性能の維持ができます。塗料の性能にもよりますが、10年に1回塗装してあげることで、防水性能を回復させ、維持していきます。
窯業系サイディングも外壁塗装によるメンテナンスで防水性能の維持ができます。塗料の性能にもよりますが、10年に1回塗装してあげることで、防水性能を回復させ、維持していきます。












目地のシーリング材打ち替えによる吸水しやすい断面の保護
目地に充填されているシーリング材はかなり傷みやすい部分で、紫外線による硬化でひびわれたり、裂けたり、剥がれてきてしまったりします。劣化が進むとボロボロになり、風化して崩れてきます。硬化や裂け、剥がれといった現象が出る前に打ち替えてあげましょう。
充填されていたこれまでのシーリング材を撤去して、新しいものを充填します。
充填されていたこれまでのシーリング材を撤去して、新しいものを充填します。













基本的に変形したサイディングボードは変形する前の形に戻すことはできません。このことを覚えておいてください。したがって、サイディングの反りの変形度合いによって補修方法が異なります。
サイディングの反りが少ない場合 釘やビスによる固定


窯業系サイディングの反りかえりが少ない場合に用いられる方法です。
釘やビスを増し打ちして固定します。釘やビスは胴縁のところに打ちます。外壁の裏に隠れている胴縁の位置はこれまで打たれていた釘の位置から判断します。
釘やビスで固定しましたら、その頭から浸水しないようにシーリング材を塗布し、外壁と同じような色の塗料でタッチアップを行い、目立たないようにします。
釘やビスを増し打ちして固定します。釘やビスは胴縁のところに打ちます。外壁の裏に隠れている胴縁の位置はこれまで打たれていた釘の位置から判断します。
釘やビスで固定しましたら、その頭から浸水しないようにシーリング材を塗布し、外壁と同じような色の塗料でタッチアップを行い、目立たないようにします。
サイディングの反りが大きい場合 部分的な張替え


反りかえりが大きく、釘やビスで固定すると割れてしまう可能性が高い場合に行います。周辺のシーリング材を剥がし、反っている部分のサイディングボードを取り外し、新しいものへと交換します。これまでと同じ模様のサイディングがあればよいのですが、既にモデルチェンジされていることも多く、その場合は近いデザインのものを選ぶことになります。人によっては非常に違和感を感じる外観になってしまうので、こうなる前に外壁塗装などでメンテナンスすることが理想です。
微細な割れならば、補修も可能です。


サイディングボードの端で角の部分、釘やビスが打たれている周辺からひびが入り、割れてしまった場合も修復は可能です。シーリング材などを利用して接着し、塗装を行います。
窯業系サイディングで変形が起こる理由と補修方法のまとめ